カレイドスコープ
ホームに来たとたんに電車が来て急いで駆け込んだ
すぐにドアが閉まりギリギリセーフ
ドア付近で次の駅まで待つことにした
ふいに横を向くと
明国の男子生徒の軍団がいた
なんか嫌だったからすぐに顔を窓に向けた
すぐ近くにいたから話し声が聞こえた
「明日の朝練キツそ~」
「今日いきなり休みになったからね」
「俺の新しいスパイク使えなかった…」
どうやら彼らはサッカー部らしい
川島がいませんように
「響~あの子の料理旨かった??」
響…
川島じゃん!!
あの子って私のこと?
「響って料理にだけは厳しいからね」
どんな反応が返ってくるか気になる
「めっちゃ美味しい」
「おぉ~良かったじゃん!」
周りは驚きと歓声に満ちている
そんなおおげさにすること?
でも、めっちゃ美味しいはいいな♪
心のなかでガッツポーズをとった
「あとさ、あの子可愛くね?」
え、今誰言った?
可愛い?
私が?
「あ、それな!」
周りも共感している
嘘だ…
今までブスしか言われなかったのに
もしかして私じゃない?
「あの子の名前なんだっけ?」
「廣川 恵」
私じゃん