満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


今日は麻衣子と会う日


『え?今日は仕事、行かないの?』


「あぁ」


まずい……
麻衣子の話は聞かれたくないって言ってたのに…どうしよう…


「ん?なんかまずいか?」


『…うん…麻衣子が話したいって内容…聞かれたくないみたいなの…』


「ふ〜ん…俺は誰かに話したりしないけど…」

『…そうだけど…麻衣子と康太は初対面でしょ?麻衣子が嫌がるよ』


「……わかったよ、こっちの聞きたいことが終わったら、出掛けるよ」


『…出かける?仕事に行かないの?』


「……ある意味、仕事だ」


なんか怪しい……
なに、歯切れの悪さ…

『……おんな…』


そんな言葉を発してしまった


ハッと思い、康太を見ると
康太も驚いていたが、
嬉しそうな顔になり私に近づいてくる


『な、なに』


「結衣?今のって…ヤキモチか?」


『……いいえ…違います』

「ふっ、そうか、そうか」


ご満悦な表情をして
私の頭をガシガシする。


「心配するな、俺は結衣だけだ」
「……後処理してくるだけだ」


後処理……もしかして、あの男。

『……ごめん』

「結衣が謝ることじゃねぇ」


そんな話をしていたら
インターホンが鳴った
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