満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


「親と…暮らしたいか?」

麻衣子に質問をする康太


「…一人は…もう嫌」

麻衣子はずっと一人だった
あのマンションにすんでいるせいで
変な噂をながされたりして…


「ここは、ダメだ」

そんな事を言い出す康太に麻衣子は笑っていた

「ぶっ…知ってますよ」


「親父に掛け合ってやる、本家に住めるように…」

康太の言葉に麻衣子は少しだけ笑った気がした。
本当は、一緒に住みたかったんだと思う…だって、家族だから…。



「私が話したかったのは、これが全部」

話終わった麻衣子はにこやかだった。
気が楽になったのか
桜田さんが出してくれた
コーヒーとケーキを口にする。


「あ…で、結衣の話!」

私が話そうとすると心配そうに康太が見て手招きをしてきた

私は康太の隣に座り

『大丈夫…ちゃんと自分で話すから』


そう言って、康太との出会い…
親の借金…あの男のことを話した。

途中、何度も苦しくなったけど
康太が背中をさすってくれた。
< 75 / 205 >

この作品をシェア

pagetop