満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
「親と…暮らしたいか?」
麻衣子に質問をする康太
「…一人は…もう嫌」
麻衣子はずっと一人だった
あのマンションにすんでいるせいで
変な噂をながされたりして…
「ここは、ダメだ」
そんな事を言い出す康太に麻衣子は笑っていた
「ぶっ…知ってますよ」
「親父に掛け合ってやる、本家に住めるように…」
康太の言葉に麻衣子は少しだけ笑った気がした。
本当は、一緒に住みたかったんだと思う…だって、家族だから…。
「私が話したかったのは、これが全部」
話終わった麻衣子はにこやかだった。
気が楽になったのか
桜田さんが出してくれた
コーヒーとケーキを口にする。
「あ…で、結衣の話!」
私が話そうとすると心配そうに康太が見て手招きをしてきた
私は康太の隣に座り
『大丈夫…ちゃんと自分で話すから』
そう言って、康太との出会い…
親の借金…あの男のことを話した。
途中、何度も苦しくなったけど
康太が背中をさすってくれた。