満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


静かにベッドに入り私も寝ようとすると

「遅い」

康太の言葉に、起きてたんだと驚きながらも

『ふふ…ごめん』


そう言って、康太の胸におさまる。


『康太……今日って…』


私は少しだけ気になっていた
あの男のことを聞こうとしていた
けど……


「あいつはもう日本にはいない」
「海外の物好きに……。二度と日本に戻ってこれねぇ……」


『……そっか…』


「もぅ、考えるな。考えていいのは俺の事だけだ」


そう言って強く抱きしめてくれる。


私は康太を見て

『ありがとう…私のことも麻衣子のことも…』
『康太が居てくれて…私は幸せ』

本当に幸せを感じていた
それが嬉しくて、涙が出るくらい…


「泣くな…幸せの涙もダメだ…結衣は笑顔でいてくれ……」

康太の指は私の涙を拭いてくれる

「今日は楽しかっただろ?結衣は笑ってた…楽しい気分で寝たらいい…」


『うん…康太の腕の中だと安心する…』


「おやすみ…結衣」

康太はそう言って私の唇に軽くキスをした。

私は驚いたけど…嫌じゃなかった…

『……おやすみなさい…』


少しだけ…1歩だけ
前に進めた気がした。

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