あなたに恋してる

ゾクッとするほど綺麗な顔で俺を睨む。

その瞬間、完全に彼女に心を奪われた。
その後も言い合いになり、怒って帰って行ってしまう。

彼女に言い過ぎたことを謝りたくて続けてコンフォルトに行った。

でも、彼女はいない。

店のマスターが続けて通う俺を覚えていてくれて教えてくれた。

『美雨ちゃんは、週末しか来ないよ』

それ以上は、業務上シークレットだからといい『会えるといいね』と笑っていた。

金曜、仕事を早く切り上げコンフォルトの近くで待ち伏せる。

会えなければ会えるまで通うだけだ。
今の俺は、ここでしか彼女に会えないのだから…

美雨を見つけた時は、胸がドキドキと高鳴り声をかけるのに緊張した。

「美雨」

初めて彼女の名前を呼ぶ。
ただ、名前を呼んだだけなのに……

「2人ともいらっしゃい…今日は会えたみたいだね」

マスターが余計なことを言い出す。
この人、絶対ワザとだ。

カチンとビールのグラス同士をぶつかった。

「お疲れ…」

「…………お、お疲れさま」

余裕ぶってるが、全然余裕がない。
彼女も緊張しているのが伝わる。

謝るつもりが、彼女の方からなぜか感謝された。
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