あなたに恋してる

「マスターも性格が悪いですね」

真斗が楽しそうに笑った。

「そう言うな…これは俺からのプレゼントだ…美雨ちゃんゆっくり味わえよ」

私の目の前に出されたソーサー型のグラス。
綺麗な青色の液体につかるかわいくカットされたフルーツがたっぷり入ったフルーツポンチ。

わぁ〜

「いいんですか⁈」

「美雨ちゃんのために作ったからね。……真斗にはこれだ」

真斗の前にはカクテルのブルームーン。

軽くウインクして席を離れていく。

「真斗も一緒に食べようよ」

「いや…美雨が食べればいい」

カクテルを見つめる目は真剣だった。

「じゃあ、いただきます」

メロン、スイカ、パインにキウイ……
奥底に光る…リング⁈

うそ…これって。
真斗の顔を覗く。

「返事は?イエスだよな…」

「……うん」

「幸福の瞬間だな」

えっ…

マスターが横から楽し気に声をかけてきた。

「その通りです…いただきます」

真斗は、頬笑みを浮かべカクテルを飲みほした。

予想外の素敵なサプライズは私をトキメかせる。

こんな幸せな瞬間が来るなんて、まだ先だと思っていた。

準備をしてくれたマスター
内緒に進めていた真斗

素敵な瞬間をプレゼントしてくれてありがとう…
< 77 / 78 >

この作品をシェア

pagetop