人間カード



「これ見て」


ノゾミは手の中の紙を一枚だけ、あたしに差し出して見せてきた。


受け取って見てみると、ノゾミがカンバスに書いた絵と同じ物である事がわかる。


ただ違っていたのは、カードの中に書かれている人間の部分が写真みたいになっていた。


写っている人物は、背広を着た中年の男だった。


芸能人ってわけでもなさそうだし、そこら辺を歩いているサラリーマンの男と変わりない。


やっぱりアニメかなんかのグッズの話をしているのかな?


それとも最近流行りのカードゲームか何か?


「これが人間カード。この中に人が閉じ込められているの」


「う、うん」


あまりに真剣なノゾミの押されて頷いているけど、どういう目的でこんな事を話しているのか見えなかった。



「今から私とこの中に閉じ込められている人に会いに行くよ」


再び、バッグを漁り、今度はさっきよりも大きな物を手にして戻ってくる。


「これつけて」


私の手に渡されたのは、変わった形の腕時計。


針も無ければ、数字も表示されていない。


直方体の変な物体が乗っている。


腕時計ってわかったのは、ベルトがついていたからだった。

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