人間カード



女教師は目を見開き、固まっている。


人間カードを突き出して、俺は最後の言葉を放った。


「プリズン・オン!」


まるで、アニメのキャラクターが魔法を放つための呪文を唱えるように、かっこいい響きだった。


その瞬間、白紙だったカードが輝き初めて、光が女教師の全身を包み込む。


「やだ! 何これ! ちょっと!」


「がはははは!」


動揺する女教師を見ると、俺は自然と大声で笑っていた。


それは一瞬の出来事だった。


掃除機に吸い込まれるゴミみたいに、女教師がカードに飲み込まれる。


すると、光はすぐに消え失せた。


目の前に居たはずの女の姿もない。


「すげえ」


カードを握りしめた手は、わなわなと震えている。


俺は、不意に辺りを見回した。


大丈夫だよな?


誰にも見られていないよな?


それから、手に持ったカードに視線を移す。


「おおおおおっ!」


カードを見て、俺は思わず感嘆の声を上げた。
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