幻想館ーシンデレラ編ー
楽しいひとときなのにシンデレラは自分の素性さえ明かせない事が悲しかった


ただ、王子様の嬉しそうな表情を見ると少しは心が和らぐのでした。



王子様はシンデレラがまた会いに来た事で、少しずつ心を開かせようとしました


「もし叶う事なら、このままあなたと踊っていたい」



王子様の気持ちに偽りはありません。


何て綺麗な瞳をしているのかしら・・・・・・


シンデレラは益々、王子様にひかれていきます。



そんな二人を王様は微笑ましく思い見つめていました。



シンデレラは他の貴族の娘達より、身のこなし、気品さが群を抜いていた。



王様や王女様、大臣な至るまで皆、このシンデレラを城に迎え入れようと思っていた矢先・・・・・・



何て皮肉な事に、無情な12時を知らせる鐘が鳴り始めたのです。



シンデレラは慌てて王子様の手を振り払いました。


「ごめんなさい・・・・・・」



シンデレラは急いで階段を駆け降りました。



滑りこむように馬車に乗ったシンデレラ


履いていたガラスの靴が片方ないのに気がついたのですが、取りに行く事も叶いません。



後を追って階段を降りる王子様の目に映ったのは、片方だけのガラスの靴でした
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