好きなんです!


何を話していいのか今更分からなくなってしまって、黙って電車に乗る。
優馬は疲れていると思っているのか静かにiPhoneを取り出して何かしている。

ぼーっとその動作を見ていたら不意にこっちに顔を向けてきた。

「な、なに?」

「いや、さっきから見られてるから何かと思って。」

「えっ!?」

見ていたことがバレていてものすごく恥ずかしくて、顔に熱が集まるのが分かる。

「なんでもない…。」

「そ?もうすぐ着くから寝るなよー。」

そう言われると眠くなってくるのはどうしてなんだろう。
恥ずかしくて下を向いて目をつぶったせいで、瞼が開けられない。
寝てはダメだと自分に言い聞かせるのに抗うことができなかった。

寝る前に優馬が何かを言っているのが分かったがなんて言っているのか分からない。
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