好きなんです!


優馬と手を繋ぐのは周りにいる女の子の特権だと思ってた。
頭を撫でられ優しく微笑まれるのも。

私はそれを遠くから見てるだけで、勝手に嫉妬して悲しんでいた。

でももし、告白したら?
少しは気にしてくれる?

そんなことを考え思い出す。
優馬は付き合ってた人に裏切られたこと。
だから好きなんて信じないこと。


ずるいよ。
その前に出会っていれば私が支えたのに。
どうして出会えなかったの。


「紗綾?どうしたの?」

突然聞こえた愛梨の声に反射的に顔を上げる。
心配そうに私の顔を覗き込んでる愛梨に笑う。
でもさらに顔を歪めて私の手を取り歩き出す。

「ちょっとトイレ!」

付いていけない私はただ引っ張られてトイレに連れて行かれる。

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