yellow ribbon
赤地くんはクラスの中でもムードメーカー的な存在で、男の子にも女の子にもモテる。
気さくで話しやすいし、気配りも上手だ。…授業中寝てることの方が多いのは難点だけど。
「顔真っ赤〜!かーわいい!」
「なっ!か、からかわないで下さい!」
からかってないよーと笑う彼は絶対に私をからかってる。楽しんでる。
分かってるのに照れてしまう。
…恥ずかしい。
「あ、夏樹!」
不意打ちに出た名前に、私は思わず勢い良く振り返った。
そこにはこちらをジッと見つめる夏樹くんの姿。
…あれ、なんか機嫌悪い…?
そう思ったけれど赤地くんは特に気にしてないのか普通に話題を振る。
「お前なんでそんな可愛い傘持ってんの?」
手元に視線を移すと、昨日貸した私の傘があった。