君と想い出をもう一度
◇゜。◆・.・◇゜。◆・◇゜。◆ 

驚いたことに、ミュウを部屋へ運ぶ間も使用人にも誰一人会うことが無かった。

しかしラルムはそれどころではなかった。


自分の部屋に入り、ミュウをベッドに寝かせる。

ミュウの体を通して見慣れた部屋の壁紙が見えた。


今思えば豪勢な壁だな…


ラルムが面白くもなさそうに笑った。

この現実を受け止められようはずもない。


『何度でも好きになるよ』

頭の中でミュウの言葉が反芻する。

『ずっと一緒に────』

そのミュウの未来が奪われるかもしれないのは、俺のせいなのに。


何で…何で俺の中のミュウは笑ってるんだよ…


頬に熱い水が伝うのを感じた。

ミュウなら情けないと言うだろうか。







こんな時まで、そんなことを考えてしまう自分に嫌気がさす。

ラルムはミュウの手を握り、頭を垂れた。





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