BABY❤LOBERS

「・・・距離置かない？」


思ってもいない事が口から出る

こんな事言いたくなかったのに。。。

手をぎゅっと握って、唇をきつく噛む

きつく噛みすぎて、ぴりっと唇が切れる

でも・・・

そんな痛みより・・・

心がすごく痛いよ・・・・・・


伝は驚いた顔でじっと私を見つめてくる

伝の目が見れない・・・

すごく時間が長く感じた

「何で・・・？」

伝がかすれた声で聞いてくる

何で・・・？

何でって・・・

「理由なんてないよ・・・」

言ったあと俯いた

出来る事なら時間を巻き戻したい

心の中で（伝、離れていかないで！）と叫んでいるくせに・・・

矛盾してる私・・・

「俺は・・・」

いきなり口を開いた伝の声で、体がぴくっと動いた

「奈留が好きだから・・・距離なんて置きたくない・・・」

私だって・・・離れたくないよ・・・

「奈留が俺を嫌いになっても・・・俺はずっと奈留を想ってる」

伝・・・

「ずっと。。。待ってるから・・・」

伝・・・

ぎゅっ

伝の香りに包まれたと思ったら、私は伝の腕の中にいた

「何で・・・泣くんだよ・・・」

気づかないうちに私は泣いていた

「泣きたいのは俺だろぉ・・・別れるんじゃねぇんだから泣くなよ・・・」

伝の声が震えて、腕に力が込められた

「待ってるから・・・ずっと・・・だから・・・また戻って来い」

その言葉と同時に、伝が離れた

私に背を向けて歩いていく伝が見えなくなって、私はその場に泣き崩れた


もう・・・取り返しはつかない

伝・・・ごめん

ごめんね・・・・

今は・・・伝が私のせいで悲しそうな顔してるの・・・見たくないんだ

でも・・・いつか・・・また・・・―――――――