上司に秘密を握られちゃいました。

これで、東郷百貨店の制服を着るという、長年の夢が叶った。

派遣としてしか係わることができていないけれど、こうして制服を着られたことで、一層仕事への気持ちが高ぶる。
きっと正社員になってみせる。


気持ち新たに、自分の服に着替えて再び戻ると、真山さんはこたつに入っていた。


「寒いだろう? こっちにどうぞ」


真山さんは私に向かいを勧める。


「ありがとうございます」


隣の部屋は冷えた。
だけど、心はホカホカだ。


「そういえば、前の写真はどうしたの?」

「前、の?」

「うん。公園で撮った……」


再び写真を見ようとスマホを操っていた手が、完全に止まった。
やっぱり、バレてる……。

「なんの、ことでしょう……」と言いながらも、だんだん声が小さくなる。


「あれ、西里さんだよね。公園で俺が写真撮ったの。すごく似合ってたよ」


どうしよう。
どうやって言い訳しよう……。
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