上司に秘密を握られちゃいました。

初めてのキス


「おはようございます」


次の日も、福袋争奪戦は続く。

ロッカーに行くと、少し疲れた顔をした美晴が、着替えを済ませたところだった。


「藍華、おはよ。元気だねー。私、一日で疲れちっゃた」


元旦は、ただでさえ忙しいのにパート職員の休みが多く、私たち派遣はフル活動だった。


「お疲れ。食品売り場、どうだった?」

「そりぁもう、人、人、人よ! 
満員電車みたいで、レジの行列は閉店まで続いたわ」


美晴は食品売り場の福袋販売のヘルプに入っていたけれど、東郷の食品福袋はお得感満載だと、毎年かなりの人が押し寄せるらしい。


「美晴、あのね……内緒にしといて欲しいんだけど」


女の会話にナイショは難しい。
だけど、美晴のことは信用している。
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