上司に秘密を握られちゃいました。
「俺が変わるから」
「真山さんが?」
私が驚くと、彼は笑ってうなずいた。
「大丈夫。こう見えても子供は得意分野」
立ち上がった私の耳元でささやく彼は「さぁ、遊ぶぞー」と子供たちの輪に入って行く。
そういえば、初めて会った時も泣いている子を慰めてあげていたっけ。
子供好きなんて、ますます好感度が上がる。
私は、子供たちと遊び始めた真山さんに小さく頭を下げて、会議室を出た。
昼休憩は基本一時間。
だけど、真山さんのことを考えると少しでも早く戻りたい。
近所のコンビニでサンドウィッチを買って、あの公園のベンチでパクパク口に入れる。
缶コーヒーで無理やり流し込んだからか、味もよくわからない。
それほどお腹が減っていたわけではないけれど、もう休憩はとれそうにない。
夜まで体力がもつように、食事をとっておくのも大切だ。