上司に秘密を握られちゃいました。
公園からダッシュで戻る。
東郷の周辺道路は、大きな福袋を抱えた人たちでごった返していた。
「お疲れ様です。変わります」
「えっ? まだ二十分しか……」
息を切らせている私に驚いたような顔をする彼は、すっかり子供たちと打ち解けていた。
「真山さんもお昼まだでは?」
食べている間に気がついた。
十三時だったから、彼はランチを済ませてきたものだと思っていたけど、きっとそうではない。
上司といえど、大柄な態度をとる人ではない。
自分が率先して走りまわる人だから。
「まぁ、ね。だけどお昼はなしても、大丈夫だから」
「ダメですよ。まだまだこれから勝負です。これ」
一方的にコンビニの袋を手渡すと、シャツの袖をまくり上げた彼の筋肉質な腕が目に入り、ドキッとする。
「それじゃあ、折り紙しようか」