上司に秘密を握られちゃいました。

「ラッピング……」


なにかしていようと思ったものの、今からミシンを引っ張り出す元気はない。

それならとパソコンを立ち上げ、いろいろなラッピング方法が載っているサイトを探し出し、練習することにした。

いつか役立つかもしれないと思ったからだ。


新聞広告を包装紙に見立てて、家にあるものを包んでみる。

どんな形でも一通り包めるようにはなっていたけど、まだまだバリエーションが少ない。


「これは時間がかかりすぎ」


忙しいときには無理だと思うものもあったけれど、ちょっとしたひと手間で美しく見える包み方も発見した。


ラッピングに没頭して三十分。
突然スマホが震えた。
それは、真山さんからの電話だった。


「もしもし」

『ごめん。メールくれてたのに気がつかなかった』


彼の声が聞けただけで、不安だった気持ちが一気に晴れた。
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