上司に秘密を握られちゃいました。
「真山さん、大阪には希望されて?」
「あぁ、まぁ、色々あってね」
少し困った顔をした彼を見て、聞いてはいけなかったかもしれないと口をつぐんだ。
「これは?」
真山さんがテーブルの上の弁当箱を指差した。
「あの、真山さんの家に持って行こうと思って……」
「作ってくれたの? それはうれしい」
彼が大げさなほどに喜んでくれる。
「藍華さんがご飯まだだったら、食事にでも誘おうと思ってたんだよ」
「よければ、食べてください」
「もちろん!」
弁当箱に詰めたものの、再びお皿に出してレンジで温める。
「作り立てじゃないですし、まずかったらごめんなさい」
「いや、すごくおいしそうな匂い」
ニンニクの匂いが食欲を誘う。
小さなテーブルの上にいっぱいに並んだ料理に目を輝かせる彼は、きちんと「いただきます」と手を合わせてから箸を伸ばした。