上司に秘密を握られちゃいました。
「ごめんなさい。すぐに片付け……」
「藍華さん、すごい」
置きっぱなしにしてあった、ラッピングの練習に使った広告を彼が手に取る。
「いえ、すごくは……」
恥ずかしい。
こっそり練習しようと思ってたのに。
「デパートの仕事をこんなに好きでいてくれて、俺もうれしいよ」
頬を緩める彼を見て、もっと頑張ろうと思う。
彼が喜んでくれると、私まで気持ちが高揚する。
「狭くてすみません」
立派な一軒家の真山さんの家を思うと、あまりに狭くて恥ずかしいくらいだ。
置いてあるブラウンのソファも、やっとふたり座れるくらいの大きさしかない。
「ひとりなんだから当然だよ。
俺、大阪の時は、1Kだったんだよ。玄関入ったらベッドが見えて」
彼は、「寝に帰るだけだったから、十分だったけど」とクスッと笑った。