上司に秘密を握られちゃいました。
「美晴、私ね……」
次の日。
出勤早々、美晴に正社員になれそうだと打ち明けると、跳び上がって喜んでくれた。
自分はまだなのに。
「よかった! 絶対に藍華の天職だもん。私も頑張るよ。
正直言って、最初は派遣期間終えたら、別の仕事探そうかと思ってたんだ」
美晴の思わぬ告白に、驚きすぎて声も出ない。
「だって休みは平日だし、仕事もハードだし。
だけど藍華のおかげで、やりがいを感じるようになったの」
美晴がそう思ってくれたなら、頑張った甲斐がある。
これからも、美晴と一緒に働きたい。
「それで、希望の受付行けるの?」
「うーん……」
真山さんの手掛ける、五十周年の企画を手伝うのだから、営業本部付になる。
彼はそれを望んでいるし、受付も今は人員が足りている。