上司に秘密を握られちゃいました。
『さっきメールしたけど、見てくれた?』
「はい」
『言わない方がいいかと思ったけど、余計に藍華を不安にさせるかもしれないと思って……』
それは、どういうこと?
ドクンと心臓が打った。
『実は佳乃に呼び出されてる。
ああやって会社に来られるのは困る。一度きちんと話をしてくる』
やっぱり……。
「……はい」
こうやって正直に話してくれたことはうれしい。
だけど、聞いたところで気持ちは晴れなかった。
かえって苦しくなっただけ。
『ほんとにごめん。明日、きちんと話すから』
「わかり、ました」
本当は泣きそうだった。
だけど、彼を信じなくては。
どれだけそう思っても、完全に不安が消えるということはない。
電話が切れた後も、しばらく呆然と立ち尽くしていた。