上司に秘密を握られちゃいました。
そんな優しい言葉は、私の気持ちを緩ませる。

私の不安を感じとった彼は、それから何度もキスを繰り返してくれた。
その間に、体の強ばりが消えていき、いつの間にかシャツのボタンが外されている。


「藍華」


何度も私の名を口にしてくれるのは、私の気持ちを和らげるためだろう。


「あっ……」


ブラの上から優しく胸に触れられただけで、思わず声が出る。
だけど彼は気にする様子もなく、弧を描くように何度も何度も揉みしだいた。

やがてブラが外されて、胸の先端に彼の指が触れる。


「ん……」


初めての感覚にビクッと震える。
それでも彼はやめない。

首筋を這う彼の舌が、やがて胸の谷間に向かう。
そして……。


「真山さん……」


思わず彼の名を呼んだ。


「藍華、名前呼んで?」

「……公孝、さん」


下の名を口にした瞬間、彼と私の間の距離が一気に縮まった気すらした。
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