上司に秘密を握られちゃいました。
「お疲れ様。帰らないの?」
社員が次々と帰っていく中、ひとりで作業を続けていると、突然話しかけられ、ハッとする。
「あっ! ……お疲れ様です」
思わず声をあげたのは、その人が真山さんだったからだ。
「あのっ、先日は手伝っていただき、ありがとうございました」
立ち上がってお礼を言うと、彼は不思議そうな顔をする。
「あの、おもちゃ売り場で、指をケガして……」
「あぁ、あの時の!」
思い出してくれたようだ。
「はい。本当に助かりました」
「いや、お礼なんていらないよ。同じ職場の人間が助け合うのは当たり前だろう?」
そう言うと彼は、私の隣に席に座った。
「ダブルリボン、か……」
「はい。真山さんもダブルリボンされてましたよね」
「あれ、僕、名乗ったっけ?」