上司に秘密を握られちゃいました。

その日詰めていた衣料品は、意外と重い。

できたものをいくつかまとめてバックヤードに運ぶ作業は、骨が折れた。

商品搬送用のエレベーターは使えるものの、一度段ボールに詰めたものを、ワゴンに移し替えなければならない。
腰を曲げたり伸ばしたりの作業は、かなり疲れる。


「お疲れ様」


そこに現れたのは真山さんだ。


「お疲れ様です。昨日はご馳走様でした」

「いやいや、あのくらい」


私がお礼を言うと、真山さんが福袋に手を伸ばし始めた。


「私やりますから……」

「手伝うよ。今は人手が足りないから僕等もヘルプに回ってるんだ。
それに西里さんに相談があってね」

「相談、ですか?」


派遣の私に相談することなんて、あるのだろうか。

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