上司に秘密を握られちゃいました。
「シンプルな物の方が、あとで再利用してもらえるのではという意見を採用したんだけど、正月だしなぁ」
たしかに、かわいらしい重箱だし、これならあとでお菓子や小物を入れたりして使い道がありそうだ。
だけど、正月であることを考えると、寂しい気もする。
「それで、西里さんならどうするかなと思って」
「私、ですか!」
私に意見を求められるなんてびっくりだ。
まさか、こんなに重要な相談だとは思ってもいなかった。
「そう。とりあえずバイトにリボンはつけてもらった。
だけど、もう少し工夫したい。
明日引き渡しが始まるから、五百は今日中になんとかしたいんだ」
今日中、か……。
お正月、お正月……。
ワゴンに載せる作業を一旦止め、考える。