従順なペットは愛を囁く


そんなことをぼんやり考えながら、少しずつ鮮明になる景色に愕然とした。

……かお?

「う……!?」

思わず掛布団の中にもぐりこむ。

うそ、なにこれ。
どうしてどうなってんの?

思わず自分の身体を確認する。

服、着てる。

ほっ……

じゃなくて!!!

「うくくくくく……」

ベッドの外から男の笑い声が降ってくる。

「おーい。どーした?」

私は掛布団を乱暴に取り払うと、その声の主に向かって言った。

「どど、どうしたんですか、わたっ、わたしっ!」

彼は一瞬目を見開いて私をじっと見た後、人懐っこい笑顔を見せる。

頭の中は混乱していたけれど、私の好きな笑い方だな、と思ってしまった。



< 3 / 20 >

この作品をシェア

pagetop