君をひたすら傷つけて
「さ、話はこの辺りで。今日はオフでしょ。私は事務所に行くけど、雅はどうする?昨日の夜、ずっと話していただろうから、眠たいなら寝ていてもいいと思うけど」

「私も事務所に行くわ。一人でいるよりも今日は誰かと一緒に居たい気分なの。眠たくなったら昼から帰ってきて、少し寝るわ。昨日の撮影での報告書もだけど、衣装を返却したりの手続きもあるから」

「わかったわ。それで、雅は高取さんのマンションにはいつ戻るの?」

「荷物を纏めたら、迎えに来るって言っていた。荷物はそんなにないからすぐに高取さんのマンションに行くことになると思う」

「寂しくなるわ。この頃、三人で過ごすことが多かったでしょ。リズと雅と一緒にいるとパリでの日々が思い出されて楽しかったの」

「高取さんのマンションに戻っても、職場は一緒だし、まりえのマンションにも遊びに来るし。リズにも話さないと。高取さんのマンションを出てから、ずっと迷惑かけたし」

「迷惑とは思ってないと思うけど、説明をしないとね。幸せになりますって」

 そういって、まりえはニッコリと微笑んだ。

「さ、リズが待っているだろうから、事務所に急ぎましょ。二人して歩くのもいいから、散歩しながらでも行きましょ。途中でお茶してもいいし」

「遅いって怒られそう」

「そうね怒られても大丈夫。だって、リズですもの」

「それってどういう意味?」

「リズは全てわかっているってことよ。きっと、私や雅が何も言わなくても分かっている」


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