君をひたすら傷つけて
「大丈夫。私に任せて。何色がいいかしら。里桜ちゃんは色も白いし、何でもに合いそう」

「雅さん。あの……」

「里桜ちゃん。今日はやめておく?」

「あの…私」

「無理しないでいいのよ。まだ時間はあるし、後から里桜ちゃんの好きなものを買ってもいいと思うし」

「いえ、雅さんに選んで欲しいです。でも、この店は少し」

 普通の女の子にとって敷居が高いのは分かる。でも、ここで選んであげたかった。篠崎さんの横に並んで幸せに笑ってほしかった。私は里桜ちゃんが幸せになって欲しいと思った。

「私に任せておけばいいのよ。これでも一応フランス帰りのスタイリストなんだから。里桜ちゃんに似合うのをさがす自信はあるから」

 いくつかのドレスの中から選んだのは上半身はビスチェタイプのもので、後ろはリボンで編みこまれている。ウエストには大きめのリボン。アイボリーのスカートの上には何枚もの布が重ねられ、上品さを醸し出す。ボレロはシフォンで出来てあり、パフスリーブの袖からは肌が少しだけ透けていた。

「これが可愛いと思うわ。ちょっと来てみてくれる?とっても似合うと思うし、里桜ちゃんの細いウエストも際立たせていると思うの。これなら、篠崎くんも喜びそう」

「いいんでしょうか?」

「何が?」

「あといくつかの試着をお願いするから、急いでね」
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