イケメンすぎてドン引き!


「あの……先輩? あたし何が何だかよく分からないのですが」



石畳の道にさしかかった頃、あたしはその後姿に問いかけてみた。



「後でユカリーヌと花子にお礼言っとけよ」



「え?」



「あいつらが色々と後始末やってくれたから。お前のこと殴った女子は停学か何かの処分になるかもだって」



「そうなんですか……」



「はぁーあ。てかさー何してんのお前? やばいことなる前にすぐ呼べっつったじゃん」



「すんません……」



「ま、どーせ俺なんか頼りになんねーよな……」



「……へっ?」



「るせーな何でもねーよ。ちょっとは先輩を立てろよお前は!

あと、ちゃんと飯食えよ。貧血ってお前最近急に痩せたからだろ。あと、メイク。微妙だしもっと薄くした方がいいぞ。んじゃまた」



あたしを家まで送ってくれた先輩は、そう言い捨てて去っていった。



「…………」



そういえば病院で、ちょっと貧血気味ですね、って言われた。


最近急にダイエットを頑張りはじめたからだろう。


ちょっと顔ヤセして、お腹のお肉を減らせば、体型はだいぶ良くなる。



メイクだって今まであんまりしてなかったのに、

雑誌を見て自分なりにやってみた。



微妙って……似合わないのかな。



少しでもいいから、先輩につりあう女の子になりたいのに。



だってそうしないと、あたしなんかが先輩を好きになっちゃいけないんだから。



でも。先輩、何か知らないけどすげー怒ってた。



もう、分かんないよ……。


あたしはどうしたらいいの?





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