イケメンすぎてドン引き!







「何何ー? モモカちゃん、吉野クンとケンカしちゃったのー?」



昼休みになり、自動販売機前に行くと、スミスさんに声をかけられた。



あの時――吉野先輩がスミスさんにあたしに手を出すなって怒ってくれてから、

あたしは変に意識することなく、スミスさんと接することができていた。



「んーケンカ、なんでしょうか。よく分からないけどすげー避けられてます」



「ってか、モモカちゃんさ、さっさと吉野クンと付き合っちゃいなよー。その方が、嫌な吉野クンファンからの攻撃も減るでしょ」



「ええっ!? あたしたちってそういう関係じゃないですから! ただの友達? みたいなものですし……」



と、あたしは慌てて否定したが。



「あーめんどくせー。ぶっ倒れてたから知らないだろーけど。この前、お前を保健室に運んだのは吉野クンだよ。しかもお姫様抱っこで」



急にスミスさんの後ろから、花子が顔を出した。



「え!? そうなんですか!?」



「しかもぉ、あの2年女子たちに『俺の大切な友達だから、嫌がらせとかやめてくれる?』ってちゃんと言ってくれてたんだよぉ。

吉野クンがビシッとそういうこと言うの超レアだよねぇ」



ユカリーヌもそこにいたようで、詳細を教えてくれた。



どうしよう。ユカリーヌと花子だけじゃなくて、先輩にもすごい迷惑かけたんだ。あたしは。


だから怒ってるのか……。



ユカリーヌと花子には、いろいろ助けてもらって本当にすみません、と伝えたところ、謝るくらいなら感謝しろって言ってくれたけど。



しゅん、とあたしは下を向いた、が。



「それってもう……愛じゃね? 吉野クン、モモカちゃんのことかなり大切にしてるっしょ」


「最近吉野クン、自然に笑ってる感じするしぃ。オブチさんと仲良くなってからじゃないかなぁ」


「すげー! くっさいローファーがきっかけって。おめーまじリアルシンデレラ状態じゃね?」



はいーーー!?



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