イケメンすぎてドン引き!


まわりをきょろきょろと見回すと、家族づれから同世代までたくさんの人たち。


中には近所の人や中学の友達など知っている顔もある。



「せせせせ先輩、お気持ちは嬉しいですけどまじで無理ですっ!」



慌ててそう言うと、先輩はずーんと肩を落とした。



ぎゃー! 断ったら断ったでめんどくせー!!!



「えーと、嫌ってことじゃなくて。ここじゃ人がいっぱいなので恥ずかしいってことですからー!」



「あ、そう? じゃ、とりあえず人いないとこまで行くか。歩きづらかったら俺につかまっていいし」



にゅっと先輩は立ち上がり、あたしを後ろ目で見た。



「でも、先輩……祭はまだ終わってないよ」



「いーよ。別に」



「すみません。あたしがこんなんだから……」



「俺こそごめん。お前、足そんなんなってたのに結構連れまわしたよな」



「いやいやいや、全然大丈夫でしたから!」



あたしがそう言うと、先輩は手を伸ばし、あたしの髪型にふわっと触れた。



「ばーか。無理すんな」


「……あ」



突然のことにびっくりして、視線を先輩の顔に向ける。



ふわりと目を細めたその表情に、体中に温かい鼓動が広がっていく。



――なにその顔。ずるいよ。



最近、機嫌悪そうな表情が多かったこともあり、


あたしを優しく見つめる先輩から目をそらせなかった。



そういえば、さっき繋いでもらった手――。


ぐいっと引っ張られるんだけど、どこか繊細というか、優しい感じがして。



なんか、先輩そのものだった。





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