イケメンすぎてドン引き!







「はぁ~~~」



目を閉じればすぐに思い出してしまう。



先輩の表情や言葉、そして、ぎゅっとされた時の温もり。




あたしの頭の中では、


『良かったじゃんモモカ素直に喜びにひたりなさいよ』


『やべーよこれがお前の人生のピークじゃね?』


と、天使と悪魔が交互に囁き合っていた。



あ、それとも?


ほら、よくあるじゃん。



先輩にとってあたしは『ほっとけない、妹みたいな存在』的な~?

(むふっ。それはそれで少女漫画でよく見る切キュン展開だぞ)



って、妄想してるヒマじゃない!



今は授業中。


すっきり夏休みを迎えるためにも授業に集中しなきゃ。



『今までモテなかった分、やっとモモカにも恋の嵐が訪れたのよ!』


『ウケケケ、お前はもう人生のすべての運を使いきったんだぞ』



うわああ! 天使さんと悪魔さん、静かにしてくれーー!




と、数学の授業中、1人で雑念と戦っていたあたしは、


期末テストの出来がものすごく悪かったことをすっかり忘れていた。






< 179 / 262 >

この作品をシェア

pagetop