イケメンすぎてドン引き!







「じゅういーち、じゅうにー!」


「じゅうさーん」



体育祭が近づいてきた。


風にあおられながら、ぽーんと白いソフトバレーボールが放物線を描く。



「じゅうよーん、あっ! ごめーん」



しかし、落ちてきた瞬間、近くの女子が間違った角度で手を出したため、急角度でボールがあたしの足元に向かってきた。



「じゅうごぉぉおっ!」



瞬時にあたしは手を伸ばし、根性のダイビングレシーブをかました。


オブちゃんナイス! という声が響く。



今は、クラス対抗円陣バレーの練習中。



クラスの約半数が選手になるこの競技に、

あたしとヒロキ氏とミーちゃんも参加することになった。



「お前、せっかく色々できるんだし、何か部活やればよかったのに」



隣にいるヒロキ氏が、空にふわりと打ちあがるボールを目で追いつつ、

そう話しかけてきた。



「んー、中学の時、女子のゴタゴタあったしもういっかな~、って感じ。よいしょっと」



あたしは、そう言いながら、

円周上のクラスメイトに安定したトスを上げる。



中学時代のあたしは、テニス部。


前衛の一番手を務めていた。




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