イケメンすぎてドン引き!
ん……?
急にまわりの女子たちがそわそわ騒ぎ出した。
「あ、吉野先輩だぁ~! スミス先輩もいるよー!」
「わー結構近くない? 格好良すぎだしー!」
ちょうど校庭の少し奥、
吉野先輩たちのクラスも円陣バレーの練習を始めたようだ。
男女混ざった輪の中で、先輩は軽やかなレシーブをかましている。
その近くには、あのゆるふわ女子とケバ女さんもいらっしゃった。
『お前のことちゃんと守るよ』
前にさらりと言われた、先輩からの言葉を思い出してしまう。
そんなこと言われたのは人生初だ。
「俺がお前を守る!」とか「お前は俺に守られてればいいんだよ!」とか。
少女漫画で時々見受けられる、憧れのセリフだ。きゃー!
……ん?
でも、よくよく考えたら先輩も自分で言っていたけど、
そもそもあの女子たちに目を付けられたのは先輩のせいだ。
先輩の教室にコーヒー牛乳を届けたせいだし、
かつ、先輩がイケメンで、モテモテなせいだ。
守るよ……守るよ……守るよ……(エコー)
そ、そりゃー、時々ちょっと思い出してはニヤけちゃいますけど。
でも、恋のときめき! という訳ではなく、単純に嬉しかっただけだし。