桜ノ華



「この一番多いのが、校内の全教室の鍵」

「全教室?!」

「代々生徒会長には全ての教室のスペアキーが受け継がれているらしい」

「…ちなみに、使ったことは?」

「そうだな、サボる時に時々」

「え?!」

「で、これが生徒会室の鍵と、会長室の鍵と、会長室の机の引き出しの鍵。

生徒会室の鍵はおまえも持っているだろう」

「あ、はい。生徒会メンバーはみんな持つんですよね」

「そうだ。で、最後に…」


アンティーク調の、古くて、でも綺麗な鍵。


「見たいか?」

「…見たいです」

「掃除も一段落したし、行ってみるか」

「行く?」


首を傾げると、いたずらな笑みが返ってきた。



―・・・



「わあ…!」



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