桜ノ華



「どうだ、綺麗だろう」

「はい!」


最後の一つの鍵は、屋上の鍵だった。

屋上は一般生徒には解放しておらず、
会長室からしか行けないようになっているらしい。

そしてその鍵は、歴代生徒会長によって内密に管理されているのだと。


「いい眺めです! 風も気持ちいい!」

「ああ、俺もここは気に入っている。

よもや誰かと一緒に来ることになるとは思わなかったが。

最初で最後の相手が君でよかった」

「啓志さん…、光栄です」


少しの間、寄り添って景色を眺めていた。



―・・・



『…以上を持って挨拶とさせて頂きます』



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