あなたと恋の始め方①
「ありがとうございました」
「いや。俺が送りたかっただけだから。じゃ、美羽ちゃん。明日も仕事頑張ろうね」
「はい。明日からしばらく忙しくなりそうです」
「俺も美羽ちゃんに負けないように頑張る。じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
小林さんは私がマンションの中まで入るところまで見送ってくれて、私がエレベーターに乗り込むと、右手を軽く上げる。そして、私が頭を下げると、エレベーターの扉が閉まり、私の視界から小林さんが消えたのだった。この瞬間が寂しいと思ってしまう。でも、それは仕方ない。
いくら好きでもずっと一緒にいるわけにはいかない。
急いで部屋に入ると、窓際に向かって走る。カーテンを開けて外を見ると、歩いて帰っていく小林さんの後姿が見えた。
月明かりの下。アスファルトの上に長く伸びる小林さんの影。それを見えなくなるまで、私は見送ってから、窓を閉じた。高校の時、友達が『好きな人の後ろ姿』を見て幸せだと言っていた意味が今わかる。私は小林さんの後ろ姿を見るだけで、幸せだと感じる。
「好きなだけで幸せ」
小林さんのことを思いながらぼーっとしていると、不意に小林さんの言葉が蘇る。それは小林さんが教えてくれた『折戸さんのメール』の存在。パソコンを立ち上げるとそこには小林さんの言うとおり折戸さんからのメールが届いていた。
そのメールの内容を見ながら、私は溜め息を零す。過保護という名のメールがそこにはあった。
「いや。俺が送りたかっただけだから。じゃ、美羽ちゃん。明日も仕事頑張ろうね」
「はい。明日からしばらく忙しくなりそうです」
「俺も美羽ちゃんに負けないように頑張る。じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
小林さんは私がマンションの中まで入るところまで見送ってくれて、私がエレベーターに乗り込むと、右手を軽く上げる。そして、私が頭を下げると、エレベーターの扉が閉まり、私の視界から小林さんが消えたのだった。この瞬間が寂しいと思ってしまう。でも、それは仕方ない。
いくら好きでもずっと一緒にいるわけにはいかない。
急いで部屋に入ると、窓際に向かって走る。カーテンを開けて外を見ると、歩いて帰っていく小林さんの後姿が見えた。
月明かりの下。アスファルトの上に長く伸びる小林さんの影。それを見えなくなるまで、私は見送ってから、窓を閉じた。高校の時、友達が『好きな人の後ろ姿』を見て幸せだと言っていた意味が今わかる。私は小林さんの後ろ姿を見るだけで、幸せだと感じる。
「好きなだけで幸せ」
小林さんのことを思いながらぼーっとしていると、不意に小林さんの言葉が蘇る。それは小林さんが教えてくれた『折戸さんのメール』の存在。パソコンを立ち上げるとそこには小林さんの言うとおり折戸さんからのメールが届いていた。
そのメールの内容を見ながら、私は溜め息を零す。過保護という名のメールがそこにはあった。