あなたと恋の始め方①
 バスルームのドアを閉めて一人だけの空間になるとコチコチに固まった身体の強張りが溶けてくる。小林さんが二つの部屋を用意しようとしてくれた意味を私は実感した。抱くとか抱かないとかじゃなくて…心臓が保てそうもない。でも、理性がどうとか言っていたけど、小林さんは私は傍に居ても大丈夫なようだった。さっきも甘いキスの後のあのいつもの小林さんに戻る。


「まずは落ち着かないと、色々考えるのは後からにしよう」


 私は服を脱ぐと、そのままバスルームに入った。そして、とりあえずシャワーを頭から浴びた。小林さんが使ったばかりだから、バスルームは温かくて、寒さは感じないし、シャワーから出るお湯も最初から温かかった。身体を流れる水の珠がスルスルと肌を流れる。


 そんな様子を見ながら、ふと視線を映すとそこにはアメニティが目に入る。バスルームに置かれたアメニティは有名なブランドのもので、一つ取って香りを確かめてみたけど、この上ない位にいい香りでウットリしてしまう。それを手に取り、身体に付けると体中から花の香りが立ち込める。花の香りに癒される。そして、少し強いくらいのシャワーの水圧が気持ちいい。


 身体を洗い、シャワーを浴びているうちに少しずつ思考がしっかりとしてくる。


 水を浴びたわけじゃないけど、お湯でもそれなりに効果はある。私は自分の心のままに行動しようと思う。私が思うことはきっと小林さんも嫌がらないだろう。
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