I'm crazy about you.


案内されて窓際の席に通されると、ワインリストとか渡されて。
困って瀬川さんを見ればゆったり笑われた。
その後でソムリエの人と慣れた感じで話す瀬川さんは、悔しいけど本当にかっこよかった。



「瀬川さんて怪しいよね」
「はぁ?」
「ホストとかしたらいいのに」
「お前はもう酔っ払ったのか?」

馬鹿にしたように目を細める瀬川さんに首を竦めて、グラスに残るワインを一気に流し込む。



「ペース早ぇぞ」

そう言いながらも新たにグラスに注がれるワインを、私はすぐに口に運んだ。



「これちょ…う、んと、すっごく美味しいんですもん」
「超美味いか」

言い直した私に気付いて、瀬川さんは笑いながら言い直す。
よく笑う人だなぁ、って瀬川さんを見つめた。


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