白と黒、そして白濁
あれ、ここはどこだろう。
僕はゆっくりと目を覚ました。

目の前に見覚えのある可愛らしい顔がある。
ああ…そうだ…僕倒れちゃったんだ。
白、心配しただろうな…

「波飛?」
白が涙で腫れた目を僕に向けた。
「白?」
僕は身体を起こした。すると白が抱きついてきた。

「はとぉぉおお!!!!!!
よかった、よかったよぉぉおお!!!!」
白は大泣きした。白の頭を撫でる。

「波飛、お願いがあるの」
白は涙を拭った。

「なに?」
「みんなに…謝ってほしいの。波飛にもいろいろあるかもしれない。だけど…」

「うん、わかってる。白が言いたいこと」
白の言葉を遮るように言い、白の手を握った。

「僕…倒れる時に、白におぶさっている時に少し思ったんだ。このまま死ぬかもしれない。だけど、もし死ねなかったらやっぱり白といたいなって。だから復讐とかじゃなくて、白と一緒に王宮へ行こうって」
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