白と黒、そして白濁

ただ真っ白な部屋で、部屋と繋がれた足枷をつけている私と、目の前に置いてある摩訶不思議な機械だけがあった。

「く…ろ…?」

「ブブッ」  

目の前の黒い機械が音をたてた。

「嘘でしょう…まさか、この機械から黒の声が聞こえていたの?」

機械を手にとってみると、小さいラジオみたいな形をしていた。

「くろ…」

(僕のことを探してくれないか)
頭の中に黒の声が響いた。

「くろ…フッ…クッ…」

ボロボロと大量の涙が溢れた。
黒い機械を抱き締める。

何で涙が出るんだろう?
私は悲しいのかな?
黒がいなくて寂しい?
黒は本当はどこにいるの?
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