小路に咲いた小さな花
そのうち親父様が酔いつぶれ、敬ちゃんが手酌でお酒を飲みながらテレビを見ている。
それを横目で見ながら、空になったお皿を下げて洗い始めた。
「彩菜は、今日は飲まないの?」
「んー。親父様に止められた」
「ああ。そうなるかな。まぁ、飲めないって訳じゃないのは解ったから」
「そうだね。ビールが一番苦手なのかも。苦いし」
「ほどほどならいいかも」
「うん。この間は楽しかったよ」
ただ、どれくらいが限界なのかは解らないから、ほどほど加減が解らないけど。
お皿を乾拭きして、食器棚にしまってから敬ちゃんを振り返る。
「日本酒ってどんな味?」
「日本酒は強いよ?」
味を聞いてるのですが。
「……顔色も変えずに言う言葉じゃないよね。敬ちゃん強いじゃない」
「……そうなの、かも? そんなつもりはなかったけど」
いやいや、敬ちゃん日本酒の一升瓶をほとんど一人で空けてるからね?
「ちょっとだけ頂戴?」
「……大丈夫?」
「気持ち悪くなっても、家だから平気でしょ」
小さいおちょこを棚から取り出して差し出すと、困った顔をされた。
「無理しなくてもいいのに」
「大人なんだから、飲んでもいいでしょ」
「飲めないものを、飲める年齢だからってだけで飲もうとするのは大人とは言わない」
「私は飲みたいの!」
「……ワガママ」
敬ちゃんは呟いて手招き。
……しっかり聞こえてるからね?
「ワガママですみません」
「や。別にいいよ。俺は彩菜を甘やかしてるんだし」
トクトク注がれるお酒を見ながら、そうなんだよね……って、納得。
甘やかされてる……と、言うか、敬ちゃん甘いんだろうな。
「……どうしてそこで赤くなるの」
「あ……えっと、何となく」
だって、うん。
相手は天然小悪魔よ。
何か意図的に言ってる訳じゃないし。
いや……意図的に言ってないから逆に困るんじゃないか!
それを横目で見ながら、空になったお皿を下げて洗い始めた。
「彩菜は、今日は飲まないの?」
「んー。親父様に止められた」
「ああ。そうなるかな。まぁ、飲めないって訳じゃないのは解ったから」
「そうだね。ビールが一番苦手なのかも。苦いし」
「ほどほどならいいかも」
「うん。この間は楽しかったよ」
ただ、どれくらいが限界なのかは解らないから、ほどほど加減が解らないけど。
お皿を乾拭きして、食器棚にしまってから敬ちゃんを振り返る。
「日本酒ってどんな味?」
「日本酒は強いよ?」
味を聞いてるのですが。
「……顔色も変えずに言う言葉じゃないよね。敬ちゃん強いじゃない」
「……そうなの、かも? そんなつもりはなかったけど」
いやいや、敬ちゃん日本酒の一升瓶をほとんど一人で空けてるからね?
「ちょっとだけ頂戴?」
「……大丈夫?」
「気持ち悪くなっても、家だから平気でしょ」
小さいおちょこを棚から取り出して差し出すと、困った顔をされた。
「無理しなくてもいいのに」
「大人なんだから、飲んでもいいでしょ」
「飲めないものを、飲める年齢だからってだけで飲もうとするのは大人とは言わない」
「私は飲みたいの!」
「……ワガママ」
敬ちゃんは呟いて手招き。
……しっかり聞こえてるからね?
「ワガママですみません」
「や。別にいいよ。俺は彩菜を甘やかしてるんだし」
トクトク注がれるお酒を見ながら、そうなんだよね……って、納得。
甘やかされてる……と、言うか、敬ちゃん甘いんだろうな。
「……どうしてそこで赤くなるの」
「あ……えっと、何となく」
だって、うん。
相手は天然小悪魔よ。
何か意図的に言ってる訳じゃないし。
いや……意図的に言ってないから逆に困るんじゃないか!