不幸ネット
「ちょっと待ってね」

 鍵を探しているのか、美樹が鞄の中へと手を伸ばす。

 私は改めてエントランスを見渡した。

 今時オートロックは当たり前だけど、少し広めのエントランスは現代的なデザインだった。

 明かりも多めに設置されていて、防犯対策もしっかりとされているのか天井にはカメラが設置されていた。

 私のマンションとは大違いだな。

 自分よりも歳が下の子が、こんなにも立派なマンションに住んでいる事に少し複雑な気持ちを抱きつつ、半ば羨望の眼差しを美樹の背中へと向ける。

「あったあった。さ、行こっか」

 鍵を挿し込みながら、美樹は先に私を中へと促した。
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