不幸ネット
「はい、じゃあどうぞ」

 玄関の鍵を開けて、ドアを引いた美樹が私を中へと促した。

「お邪魔します」

 美樹の紳士な振る舞いに、少し緊張しながら中に入る。

「うわ、めちゃくちゃきれい」

 美樹が後ろから電気のスイッチを押すと、想像していたよりもはるかにきれいでおしゃれな室内が姿を現した。

「もう、恥ずかしいからやめてよ。それに、大げさだってば」

 私がヒールを脱いで廊下に上がると、玄関を施錠しながら美樹が照れ臭そうに声を上げた。

「ほら、そこ。あんまりじろじろ見ない。何だか私が見られてるみたいで恥ずかしいから」

 照れ隠しをするように、美樹は私の背中を押して奥へと向かう。
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