モバイバル・コード
『……認証……登……完』



 くぐもった声が聞こえる。


 これで、3人とも晴れて本戦出場というわけだ。


 世界一出場したくないゲームに……登録か。


「少しだけ……冷静になってきた、雷也。話をまとめよう。それと推理しないといけないことが山ほどある」


 オレ達は明け方の5時過ぎまで話をした。愛梨はずっと泣いていたし、オレも雷也も気が動転してろくに話も出来ないが、フリだけでもいい。今は……。


 雷也が入れたホットミルクティーは、困惑した身体に染みる。


 心の傷口を癒すような甘さに、愛梨も少しずつ落ち着きを取り戻したようだ。

 
 雷也が携帯を操作して情報を集め、愛梨がそれを紙におこして、オレが考える。


 議題を変えて何回も同じ事を繰り返す。


 ある程度意見が固まり、オレ達は愛梨のまとめた紙を見た。
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