モバイバル・コード
 神田から秋葉原まで、山手線で一駅なのに……。


 すぐに寝るくらい疲れていた。


「……起きてる、大丈夫。僕の方の『仕込み』もかなり時間がかかったから……」


「雷也は十分頑張ったよ。後はオレがちょっと情報を盗んでくればいいだけ。有利に戦う為にも今出来る事をしよう」


 敵は他の3チームだけじゃない。


 そもそもの『元凶』に対して何もしないなんて負け犬の発想だろう。


 やるからには徹底的にやる、オレは慶兄のそういう生き方に憧れてた。


 志(こころざし)って言ったら、ちょっと重たい言い方かもしれないけど……オレは受け継いでいきたい。



 秋葉原駅の中央改札は、この時間でも人がいっぱいだ。


 オレ達は構内工事中と書かれた白いボードのそばで、打ち合わせをする。


「場所を案内してくれ。盗聴器とかそういう店なら詳しいだろ?」


 雷也はボディバックからサングラスを二つ取り出して、一つをオレに渡した。そんなもの持ってたのか?


「詳しくはないけど、まぁ分かるよ。はい、龍ちゃん。って、その服装に合わないからやめておく?」


「いつの間に二つも用意してたんだ……」


 オレがつぶやくと、雷也はバッグの中からもう1つサングラスを取り出した。



──ネタ8割、尊敬2割



「流石に葵ちゃんが来るとは思わなかったから、これ以上は準備してないけどね」



 いや、これでも十分面白いよ。
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