スワロウテイル
スワロウテイル
遠くに明かりが見えた。


私はあの坂道を下る。


ふわふわと踊る髪。


流れるキラキラとした風が、嫌なことを全て落としていく。


そして私はまた、彼女に出会う。


目が覚めるような赤い服。黒い髪のあの子は、私を見ると優しく笑った。


「今年も来てくれたのね。」


「うん。今年も来たよ。会いたかった。」


再会を喜ぶ言葉はそれだけで良い。


後は、自然と生まれる微笑みと、心に生まれた喜びが、彼女との再会を祝福してくれる。
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