溺愛宣誓


その人物の指が己を差す――――【ワタシ】

その手がベランダの自分に向けられる―――【アナタ】


そして唇が一字一句を噛み締めるように動いた







あ い し て る ☆



「―――ってぇ、メチャクチャ照れて、涙目でプルプルしながらも頑張ってそんな事を言うカノの姿がもう可愛くて可愛くて!!」

「ナニユエ華ノ子ちゃんを犯人にしちゃったかな!?大体その想像、一体何処へ向かってンの!?」

「俺の妄想でカノが出てこない事などない!!」


ちなみに目が合って震えたのは恐怖からではなく、トキメキ故だ。



いや、待て。

そういうこっちゃないんだ。



「ああもう…。変則的だけどさ、自分が犯人になったつもりでもう一度考えてみて。殺人後振り返ったらベランダに居た人と目が合って、手を動かしながら何か呟くんだけど。織田っちなら?」

「俺なら?」




―――血が滴り落ちるナイフ。

視線を感じて振り返れば、ベランダに震える目撃者…………


俺なら迷わずこう言うだろう…


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